意識障害患者の”AIUEOTIPSミカタ” 〜NPでの学びを看護に繋げる Vol.7〜
入院患者の〇〇シリーズ。
意識障害の続きです。
いろんな教科書を見ても出てくる”AIUEOTIPS”
その内容は記載されていても、看護師は何を見たらいい?聞いたらいい?と言った深いところまで踏み込んで記載されたものは少ない、、、気がします。
今回は総合診療科NPが臨床で学んできた看護師が抜きに出る”AIUEOTIPSのミカタ”についてまとめたいと思います。
今回は"I:Infection 感染"とP:Psychiatric 精神疾患、そして最後のSです。
入院患者感染症のミカタ
感染症のミカタについては、以前も”入院患者の発熱のミカタ”でまとめていますので、Linkで省略します。
入院患者致死的精神状態:せん妄のミカタ
入院患者で上記二が一応する状況で良く見るのが”せん妄”です。
こちらも以前まとめたので添付します。
双方に共通することは
”普段と違う”についてのアンテナをしっかり張っておくことですかね。
Sについて
Sの内容として
が挙げられますが、過去の意識障害の頁で記載していますので、それを見るってことで、、、
いったん意識障害シリーズは終了です!
お疲れ様でした!
意識障害患者の”AIUEOTIPSミカタ” 〜NPでの学びを看護に繋げる Vol.6〜
入院患者の〇〇シリーズ。
意識障害の続きです。
いろんな教科書を見ても出てくる”AIUEOTIPS”
その内容は記載されていても、看護師は何を見たらいい?聞いたらいい?と言った深いところまで踏み込んで記載されたものは少ない、、、気がします。
今回は総合診療科NPが臨床で学んできた看護師が抜きに出る”AIUEOTIPSのミカタ”についてまとめたいと思います。
今回は"T"ですが、入院患者さんが低体温で意識障害、、、というのは考えにくいです。
高体温で意識障害、、、感染症?となりそうなのでそれはIでまとめます。
ということで、外傷。特に病棟でアルアルの転倒へのアプローチから記載したいと思います。
転倒患者の対応
私が見てきた病棟だけかもしれませんが、多くのNsは意識の確認とともに血圧測定を行い、医師に報告します。
その血圧から何をアセスメントするのでしょう?
確認は意識と血圧だけでいいのでしょうか?
意識障害+転倒から考えられる鑑別を軸にまとめてみたいと思います。
早く否定したい頭蓋内病変
転倒して多くの人が真っ先に考えるのは「頭打ってないかな?」「頭の中出血していないかな?」です。漫然と転倒=頭蓋内病変ではなく、そこにバイタルも組み合わせましょう。
日頃のバイタルより明らかない血圧高値+徐脈になっていれば頭蓋内病変のリスクが高いです。またsBp>170異常だとその確率が90%にも上がると言われています。
転倒して焦って血圧が上がって、、、という人もいるかもしれませんが、その場合は脈拍も上がりそう。
転倒→外傷性の頭蓋内出血→脳圧亢進→クッシング
といった感じですね。
血圧だけでなく、脈拍も必ずセットで見ましょう。
転けたからには原因がある
私が見てきた中で多くの事例が「転けた結果異常が起きていないか?」への介入に焦点が当てられています。転けた原因はインシデントレポートではっきりするのでしょうか?
疾患でも転倒を誘発する恐れがあります。
原因は見当たらないのか?
せっかくバイタル測定をするので、紐づけて考えてみましょう。
前記した血圧と脈拍の組み合わせで想起される病態が変わってきます。そこで想起されれば次のステップに進むことができます。
意識障害+血圧高値。頭の画像とったけど何もないから経過観察・・・の前に血糖測定しておけば、画像評価を急がなくてもいいですよね?
意識障害と失神
転倒を考える上では失神も頭に入れておかなければいけません。
といっても、今回のまとめは意識障害のAIUEOPTIPS。失神の場合だと、パッと意識消失が起こり、パッと改善するので、もしかしたら発見時改善しているかもしれませんが、ここに記載しておきます。
失神は抗議の意味では意識障害ですが病態としては別物と捉えています。
湿疹の特徴としては
- 瞬間的な意識消失発作
- 姿勢保持筋緊張の消失
- 発作後はほぼ正常
が挙げられます。
すなわち、何かしらをきっかけに意識消失が起こり、姿勢保持金の緊張が消失→転倒はあり得ます。
バイタルで失神を探る
失神は意識が改善していることが多いので、後述する問診を行い”アタリ”をつけることが多い。
バイタルで見抜けないのか?
失神で一番否定したいのが心血管性失神。
ここは脈を見ることで想起することができる。
日頃に比べ、徐脈・頻脈になっていないか?
リズム不整はないか?
左右差はないか?
血圧計やSpO2モニターで表示されるPRでは見抜けないポイントもあるので、しっかり脈をみてもらいたい!
意識がはっきりしているなら問診を行います。
特に失神していることを覚えているかどうかはキーワードになります。
また前後の自覚症状や臨床所見などは原因を探る鍵になるので、疾患を思い浮かべながら聞くと良い。
失神と痙攣
痙攣も意識消失を起こします。
失神と痙攣でアプローチは変わってきます。
「てんかんの既往がある」といったエピソードがあると想起しやすいですが、初発だとそうはいきません。
手足のガクブルを見たら痙攣・失神双方でアプローチを行います。
Historical Criteriaでは痙攣らしさ、失神らしさを評価していきます。
項目を覚えるのは大変なので、その中の2点の項目だけ頭に入れておくといいかもしれません。
バイタル以外の観察項目
個人的にはJPTECで初期評価・全身評価が行えるとGOODですが、意識障害に絞って記載すると上記が挙げられます。
primaryの観察項目に加え、頭部外傷、舌咬傷、重度循環不全を想起させる発汗・活動性出血をまずは確認できると良いかと考えます。
本日の参考図書
意識障害患者の”AIUEOTIPSミカタ” 〜NPでの学びを看護に繋げる Vol.5〜
入院患者の〇〇シリーズ。
意識障害の続きです。
いろんな教科書を見ても出てくる”AIUEOTIPS”
その内容は記載されていても、看護師は何を見たらいい?聞いたらいい?と言った深いところまで踏み込んで記載されたものは少ない、、、気がします。
今回は総合診療科NPが臨床で学んできた看護師が抜きに出る”AIUEOTIPSのミカタ”についてまとめたいと思います。
今回は"O"ですが薬物中毒、一酸化炭素中毒、低酸素とありますが、
ここではOver Dose:薬物中毒について簡単にまとめたいと思います。
薬物中毒って自●目的でしょ?
薬物中毒と聞くと、人生が嫌になって、、、渡欧のを想像するかもしれませんが、それだけではありません。
高齢化に伴い、高齢者が同薬剤を何度も大量に内服することもあります。
誤飲等で中毒になることもあります。
色々な状況がありますので、経緯もしっかり確認する必要があります。
まずはMATERSで確認
初期対応はABCです。気道・呼吸・循環を確保しましょう。
薬物中毒を疑ったら、中毒のABCDEに入ります。
スライドには記載していませんが、
A:Alter Absorption/Antidote 除染/拮抗
B:Basics 全身管理
C:Change Catabolism 代謝経路の変更
D:Distribute Differently 分布の変更
E : Elmination 排泄促進
これらに沿って治療が進むため、医師は指示を出していきます、
それと並行して観察、原因薬物の確認を行なっていきます。
情報収集はベッドサイド、救急隊、家族(施設職員)など多くの方から聴取するので、w足したち看護師も意識的に聴取していく必要があります。
確認できるなら何をどれだけ飲んだのか?です。
単剤なのか多種類なのか
処方薬か、市販薬か、サプリメントか
お薬手帳だけでなく、実際の状況なども踏まえ積極的に聴取していきます。
睡眠薬系統の薬剤に引っ張られがちですが、しっかりと事実を確認することが重要です。
何をいつ飲んだのか?がはっきりすると、状況により原因薬物の排除に移ります。
代表的なのが、胃洗浄と吸着療法(活性炭)です。
それぞれ適応、禁忌がありますが、”意識障害のミカタ”なので詳細は割愛します。
Over Doseを疑う症状
Over Doseの触れ込みがあれば、それを気にして観察していくことは容易ですが、意識障害でAIUEOTIPSを確認、はっきりとしたODのエピソードがなければなかなか鑑別に上がりにくいのも事実です。
その中で、意識障害に加え、咽頭痛や突然の嘔吐・下痢といったエピソード、説明のつかない呼吸不全や過呼吸、高熱などを認めた場合はODを考える必要があります。
そして目は口ほどに物を言います。
バイタルサインに加え、身体初見、瞳孔を見ることで原因薬剤を絞ることもできます。
ただ、実際のODでは多種類の薬剤が関与していることもあり、典型的なパターンにならないこともありますが、病歴、バイタル、身体診察が重要になってきます。
臨床ではTUBEをチェック
ODを疑ったら、原因薬を探り、治療に移ります。
結果何が原因で意識障害となっているのか?
詳細についての記載は控えますが、前記した病歴、バイタル、身体診察に加えTUBEで絞っていきます。
要は尿検査、血液検査(血ガス含む)、心電図検査を行っていきます。
各施設によってどこまで行うか、どの時点で高度医療機関に転送するかは様々だと思います。
しかし疑わなければ、その視点病歴、身体診察、検査を行うことはありません。
はっきりとしたエピソードがなくても起こりうるのがODと認識し対応する事が必要です。
ってダラダラ書きましたが、明らかなエピソードがない場合は、
をみたら薬物中毒を疑えってことですかね。
本日の参考図書
パーキンソン病のDAT(Device aided therapy:デバイス補助療法)
”AIUTOTIPSのミカタ”の筆が進まなくなり、早数日、、、
少し気分転換に気になったことをまとめてみます。
臨床をやっているとよく目の当たりにするパーキンソン病です。
以前発症についてまとめた気がしますが、今回は進行期のポイントでDATを学んだので簡単にまとめてみます。
パーキンソン病におけるデバイス補助療法
パーキンソン病の治療を続けているうちに、ウェアリングオフ現象やジスキネジアなどの運動合併症が出てくるなど、薬剤調整が難しくなることがあります。
そこでDATを導入し、適切に調整されると患者の1日の生活の大半を調子がいい状態で過ごすことが可能となります。もちろんそこは専門医にお任せですが、どのような状態で、どんな方法があるのかは臨床家が知っておく必要があると思います。
DATの種類として
脳深部刺激療法
DBS:Deep brain stimulation
レボドパ・カルビドパ配合経腸用液
LCIC:Levodopa carbidopa intestinal gel
の2種類が現在あります。
DATのイメージ
適応:DAT抵抗を見逃すな!
進行期患者の薬物コントロールが難渋すると患者のADLだけでなく、患者・家族のQOLにまで影響します。我々が専門医にコンサルトする適切なタイミングを理解し、情報提供することで救えるQOLがあります。
本日の参考資料
看護師の臨床推論?慢性心不全急性増悪の原因 ”FAILUREから可能性を考える”〜NPでの学びを看護に繋げる〜
最近Twitterでは看護師の臨床推論が看護教育に入るとやらで盛り上がっている。
そもそも看護過程が看護師における臨床推論では?と筆者的には思います。
そもそも臨床推論とは?
ググってみると「医師が診断や治療を決定するための思考プロセス」と記載されていました。
臨床は医師のみならず、看護やコメディカル、たくさんの方が介入し、昨今では地域を巻き込んで医療を展開しています。
推論とは?
推論の正しさを妥当性という。あらゆる事柄は言語において表現されるのであるから、妥当な推論には、その推論が指し示す事柄が妥当であること(意味論)、その推論が行われた状況において妥当であること(語用論)、その推論の構文が妥当であること(構文論)、が考えられる。(Wikipedia)
要は目の前の事象が、何が原因かを考え、検証していくといった感じでしょうか。
慢性心不全急性増悪の臨床推論
こんなタイトルをつけましたが、そもそも慢性心不全急性増悪の臨床推論という言葉が妥当なのか?
本来であれば、慢性心不全で通院歴のある患者の呼吸困難に対する臨床推論として鑑別疾患が上がり、検査・加療を行いながら、鑑別で出てきた疾患を否定していく。
ACS,PE、肺炎、、、と
そして心不全にたどり着いてもHFrEF?HEpEF?、、、看護学校で習うかな?
増悪因子は何?Volume Over?感染症?
血液検査結果見て判断?胸部X線?心エコー?
と世間一般が思う”臨床推論”を看護師が行うとなると、看護教育ではなかなかコアな部分まで疾患学を教えなければいけなくなってしまう。
看護師が行う慢性心不全急性増悪の臨床推論(希望も込めて)
増悪因子の語呂合わせが、上記スライドになります。
心疾患が原因と目が行きがちですが。意外と生活に沿った項目も含まれます。
利尿剤等の服用コンプライアンスはどうなのか?
食事の変化(食事制限を守ってない、作る人の事情で外食が増えた、自分で作っていたが、動けなくなって作れてない?ヘルパーさんとうまくいってない?)
感染症(高齢者では肺炎(肺炎球菌の予防接種してる?)や尿路感染症など)
もちろん医師(時折NP)はこの項目を抑え、再発予防に努めます。
この内容を自律的に情報収集し、入院後の変化で何が改善し、どのように生活に繋げていくのかを考える。
これこそが看護師(NP含む)の臨床推論ではなかろうか?と勝手に思っています。
もちろんPhysical Examinationができることも大事。
「この患者さんはMRがあって、入院時4RSBでLevine4/6の収縮期雑音があったけど。2/6まで改善した。訪問看護師さんにも申し送って、心雑音が悪化したら云々カンヌン…」といった感じにまで看護師の行うPhysical Examination及びPhysical Assessmentが活かされるようになれば、看護教育における臨床推論の意味が出てくるのかな?と勝手に感じています。
これからの高齢化にめちゃめちゃ着眼するのであれば、この内容に加え”illness trajectory”も踏まえ、院内外のチームと協力し、どのようにコンセンサスを得て患者をミテいくのか?医療提供を選択していくのか?につなげていけたら最高ですね。
臨床推論についての教育
決して利尿剤云々、CTR云々、NPPVの設定が云々など治療に終わることなく、ケアに還元できる臨床推論が展開されることを切に願います。
最後に
私の人生を大きく変えた医師が臨床推論を教えてくださるときに必ず言います。
木を見て森を見ず
心不全だからと胸ばかり見るのではなく、疾患に囚われすぎず、全身の状態、生活状態にも目を配ることが必要です。
意識障害患者の”AIUEOTIPSミカタ” 〜NPでの学びを看護に繋げる Vol.4〜
入院患者の〇〇シリーズ。
意識障害の続きです。
いろんな教科書を見ても出てくる”AIUEOTIPS”
その内容は記載されていても、看護師は何を見たらいい?聞いたらいい?と言った深いところまで踏み込んで記載されたものは少ない、、、気がします。
今回は総合診療科NPが臨床で学んできた看護師が抜きに出る”AIUEOTIPSのミカタ”についてまとめたいと思います。
今回は"E"ですがたくさんあるので、本日は
内分泌疾患:Endocrinopathy(Adrenal. Thyroid)
電解質異常:Electrolytes(Hypo/Hyper-Na,K,Ca,Mg)
多いですがガツッとまとめてみます。
内分泌疾患:Endocrinopathy
Adrenal:副腎不全
お恥ずかしながら、看護師時代にはあまり気にしたことがなかった副腎不全ですが、NPになってからチョロチョロみることがあります。
ファーストタッチから”これは副腎不全だろ!”ってことはありません。
他の疾患、病態を想起しながら”何かおかしいな、、、”と思う時にこいつが頭に浮かぶと意外にハマります。
要は違和感を感じたら副腎不全を想起してみる。
敗血症性ショックで輸液ガシガシ入れたけど、血圧の上がりがイマイチ、、、
糖尿病治療歴のない人がショックバイタル+低血糖、、、
って時は副腎不全を疑います。
待てれば負荷試験を行いますし、待てる状態でなけれな診断的治療に移ります。
Thyroid:甲状腺クリーゼ
甲状腺疾患もあるあるです。
総合診療に携わっていると、定期的に当たります。
クリーゼまでは対応したことはありませんが、臨床所見では説明のつかない頻脈、多汗、意識障害は甲状腺を疑います。
ガイドタイン上では、中枢神経症状+他の症状で重症度を決めるようです。
http://www.japanthyroid.jp/doctor/img/crisis2.pdf
電解質異常:Electrolytes
続いて外来でも病棟でもあるあるの電解質異常です。
その中でも多い4つの電解質異常についてまとめていきたいと思います。
高カリウム血症
リスク
ますは看護師国家試験でもおなじみ”高カリウム血症”
緊急性が高い電解質異常ですので、リスク、症状、所見をおさらいです。
教科書的には腎機能障害があって、カリウム排泄が悪い人、バナナをたくさん食べる人、と記載されていることも少なくありません。
しかし、元々腎不全の指摘がない人でも高カリウム血症に至ることがあります。
例えば
感染症などでのin -take不足や、発熱・呼吸数増加に伴う不感蒸泄でのout -balance,利尿剤使用や下痢によるout -balanceにより腎前性腎不全を来し、カリウム排泄ができなくなり、高カリウム血症となる。
消化管出血では血液が腸管から再吸収され、血球細胞内にカリウムが吸収され、血中カリウムが上昇する、、、など、腎不全がないから大丈夫ではありません。
薬剤の影響
薬の影響も大いにあります。
カリウム保持性利尿薬やカリウム製剤は想像しやすいですが、高齢患者さま御用達のARBやACE-i、NSAIDsにβブロッカーとよくみる薬剤も高カリウム血症のリスクになります。
入院時状況によっては一度持参薬を全て中止することもよくやる対応ですね。
臨床所見
はい
ここからテストに出ます。
しっかり覚えてください。
臨床所見とては上記の確認を私たち看護師もしていきましょう。
自覚症状もですが、心電図変化は起こりやすいし状況によっては致死的な不整脈を呈するので、しっかりモニタリングが必要です。
また血清カリウム値もモニタリングが必要です。たびたび生化学で確認していると時間がかかりますので、ABG(血液ガス)で確認していきます。
高カリウムと心電図
さて
ここで問題なのですが、最近の国家試験では高カリウム血症と心電図変化はどこまで詳しく出るのでしょうか、、、
私も色々勉強していた時は、血清カリウム値と心電図変化のパターンを覚えていました。
しかし2017年の論文で”血液検査結果と心電図波形は必ずしも一致しない”と発表されています。
同文献ではカリウム値だけでなく、心電図変化に対して対応していきましょうと記載しています。
スライドのRRは0−1だとリスクは低く、1以上になると、大きくなりにしたがってリスクが高いとされています。
国試対策でも覚えたテント状T波は0.77と低値。逆に徐脈は高値となっています。
治療前も治療中も、このモニターは軽の変化に注意し、異常の早期発見に努める必要があります。
ショック+徐脈の鑑別
本来ショックバイタルになると脈拍(心拍数)は上がりそうなものですが、徐脈を呈することがあります。
特に多いとされるのが上記の高カリウム血症、徐脈性不整脈、心筋梗塞(下壁梗塞)です。
徐脈+ショックを見たら緊急性のギアを一段、ないしは二段UPして対応に当たりましょう。
ちなみに薬剤の影響があることもありますし、前記した副腎不全で徐脈を呈することがあります。
低ナトリウム血症
続いてこちらもよくみる低ナトリウム血症です。
高齢患者さんでもよく見かけます。
症状はスライドの通りになりますが、脳が浮腫んだ状態と把握すると理解しやすいかもしれません。
また症状によって中等度、重度とカテゴリ分され、重度の場合は直ちに治療が必要となります。
低ナトリウムの原因
原因の多くは摂取不足、ないしは水分の多飲かもしれません。
また入院高齢者さんでは薬剤性や SIADHが多い印象です。
低ナトリウム血症をきたす薬剤
個人的な経験では薬剤性の多くは利尿薬の影響が多いと感じています。
SIADH
SIADH
SIADHはよく見ます。簡単にいうと脱水所見を認めない低ナトリウム血症です。
原因は多く、中枢神経系や肺疾患、薬剤性もあります。
肺炎の治療をしていたら SIADHに、、、定期的に見ている気がします。
予防ができないものか、、、
治療は水分制限、状況によりNa補充です。
高カルシウム血症
続いてはカルシウムです。
高齢女性の意識障害、脱力、食欲不振はカルシウム要チェックです。
ポリファーマシーではないですが、漫然と処方が続いている方もおたれますので、これを機に内服調整するのも必要な介入です。
高マグネシウム血症
最後にマグネシウムです。
高齢者の排便コントロールにマグネシウム、、、あるあるですよね?
包括指示でも進めていませんか?
高齢者でマグネシウムを定期内服してもらう。
同時並行で徐々に低下する腎機能。
マグネシウムが排泄されにくくなり、結果血中マグネシウムが上がってくる、、、ということもたまに見ます。
最近では腎機能が悪くなくでも上昇、下剤飲んでるからマグネシウムが上がるわけではない!とも言われています。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/0000185078.pdf
血中濃度と症状
症状は上記となりますが、最悪の場合致死性不整脈をきたすこともあります。
しかし、意図的に測定しないとMgって採血オーダーしないんですよね、、、
下剤を定期で飲んでいる方は、気にしてオーダしてもらってもいいかもしれません。
高マグネシウム血症の原因
原因として多いのは、急性も慢性も腎障害。そして今日何回も出てきている甲状腺機能、副腎不全でも助長させることがあります。
電解質、、、奥が深いです。
と電解質異常+意識障害はバイタルをはじめ背景にある病態を把握し、そちらにも介入する必要があります。
ACSのように派手さはないかもしれませんが、看護の介入部分もたくさんアル病態です。
AIUEOTIPSのスライドをまとめ始め、はや60枚越え、、、
まだ半分行ってないですね、、、
本日の参考書