整形外科の?DVT介入
昨日UPした「DVTのミカタ」の続編です。
国内外問わず、多くの学会がDVTに関するガイドラインを出しているのですが、、、
何かと整形外科は除外されています。
それだけDVT発生リスクが高いのでしょうか、、、
しかしそれらのガイドラインで共通する内容として
予防はやはり
・早期離床
・弾性ストッキング着用
・間欠的空気圧迫法
看護ケア・患者指導で予防していくことが必須です・
でも、血栓があるかもしれないのに動かしていいのか。。。?
血栓が飛んだらどおしよう・・・
なんて不安が付きまといます。
そこで、DVTと離床に関する文献を探してみました。
フィルター挿入に関しては施設での差があったり、コンサルト先の医師の判断に委ねられる部分でもありますが、挿入事例に関しては時期を気にせず離床を行うことが可能です。
ただ全例フィルター挿入、、、と行かない現実。
そのような場合、どう判断すれば良いのか
整形外科では予防投与を行うことが多いです。
最近?ではワーファリンに変わりXa阻害薬をしようするケースが増えています。
Xa阻害薬とは、経口直接Xa阻害薬であるリクシアナ(エドキサバントシル酸塩水和物)、イグザレルト(リバーロキサバン)、エリキュース(アピキサバン)など目にすることがあるのではないでしょうか。
投与後3時間から離床が可能とのことですが、内服開始時期が医師の判断であったり、硬膜外チューブの有無であったり様々ですので、投与3時間後の離床に向けた疼痛コントロールなど離床に向けた準備と、投与前の床上での予防的介入も考えていく必要がありそうです。
当院整形外科ではリクシアナを主に使用しています。
ただ症例に高齢者が多い、疼痛コントロールにNSAIDsを使うことが多いなどありますので、腎機能には注意が必要です。
投与結果については、効果は量に対し発生率が変化していますが、出血発生率については大きく変化を認めないとのことでした。
ただ、出血しない!というわけでもありません。
やはり投与中は、出血リスクも考慮した観察が必要です。
傷だけでなく血腫(創部・硬膜外挿入部)など見ていきましょう。
そして私たち看護師が介入することの多いストッキング。
はかせにくい、窮屈などネガティブな意見を耳にすることも少なくないですが、教育的介入から重要になってきます。
ガイドラインにも上記のような記載があり、、、
整形外科はほぼほぼ適応ですね^^;
ただベッドサイドでは皮膚トラブルにも注意が必要です。
予防策については多くの看護研究がされているようなのでここでは割愛します。
弾性ストッキング禁忌
・末梢動脈性疾患(PAD)
・バージャー病
下肢の動脈血流が低下している患者への使用は,原則として禁忌。
下肢に一定の圧力を加えることで静脈環流やリンパ還流の改善を図る反面,動脈を圧迫する恐れもある。
弾性ストッキング要注意
・痩せて骨が突出している患者
・骨変形のある患者
突出している部位の圧力が強くなり皮膚の血流障害により局所のびらんや潰瘍を生じる可能性があるため注意が必要。
ただストッキングだけでの効果は乏しく、ネガティブなデータも出ています。
患者の元来のADLと照らし合わせ、フットポンプとの併用や、活動性UPへの介入など計画的に行わなければばりません。
まだ脱がし時も難しいです。
こんなに長くつけておかなければならないのか、、、
この辺りについては、指導的介入を行い、患者理解を促す必要も出てきます。
弾性ストッキングの代わりに弾性包帯を着用するケースもあります。
現場では様々な意見がありますが、適切な利用を行えば、同等の効果が得られます。
では適切とは・・・?
目標着圧については、今後当院でも機材を使って測ってみたいなーと思いますが、その前に周知しておきたいのが、時間によってこれだけ着圧低下が起こるということ。
巻き直しは手間かもしれませんが、その分観察機会にもなりますので、計画的な巻き直しが必要ですね。
しかし、巻きなおすたびに圧を測って、、、というのは余計手間。
施行者のさじ加減、、、というわけにもいきません。
文献検索した中では、上記のような巻き方や、押印式包帯法などが出てきました。施設内で統一した方法を取ることで、適切な弾性包帯の使用に近づけるかもしれません。
医師の指示で、ストッキング外して良いと言われた!
これはケアの終了を意味するのではなく、より慎重に、より積極的にDVT予防に対する援助をしていかなければなりません。
退院間近にPE発症・・・あってはならないことですし、思い出したくないケースでもあります。
最後に看護っぽい介入を一つ。
ある病院が飲水を促すことでDVT予防を行なっていました。
高齢者に1000ml・・・と思うかもしれませんが、患者本人が実施可能な方法で予防を進めていく。その引き出しをより多く持ち、提供していくのが、ベッドサイドに立つ我々医療者の役目ではないでしょうか。
やっぱり、手術したなら元気に帰っていただきたいですね。