無敵のall-rounder? 〜セフトリアキソンというクスリ〜
病棟で勤務しているとよく見る抗菌薬
セフトリアキソン(CTRX)
NPとしてもよく入力するクスリなので、少しまとめてみた。
多くの本の記事をまとめてみると特徴は3つ
・広域の抗菌作用
・腎機能に依らない
・半減期が長い
第一の特徴であり、使いやすい理由として守備範囲が広い。
高齢化社会で増加の一途をたどる誤嚥性肺炎を含め、原因菌の多くをカバー出来るのが特徴。
とりあえずビール!並みに間違いが少ない薬なのかもしれません。
しかしHAPやNHCAPのように緑膿菌カバーを考慮すると、、、
カバーしきれない側面もあります。
いくら広域とはいえ、相手を知る必要はあります。
使いやすさ二つ目
多くの抗菌薬を使う際、腎機能に左右されることは多くあります。
特に重症の場合腎機能異常を起こしていることも少なくなく、頻回に電卓片手にeGFRを計算して、、、
という作業から免れることができます。
しかし、、、
胆汁排泄時にカルシウム塩を沈澱させ,胆泥を生成、結果胆石の形成(可逆性偽胆石症)や胆嚢炎を起こすことがあります。
誤嚥性肺炎の治療で使用し、治療経過とともに経口摂取もはじめ、安定してきっところに発熱・腹痛、、、胆嚢炎発症で再度絶食、、、という負のスパイラルは、入院期間の長期化でなく、高齢者では社会復帰のゴール設定にも影響する恐れがあるため避けたいものです。
看護的視点でも、消化器症状の観察は外せないことになりますね。
高齢者医療の視点を踏まえると、1日1回投与は利点が大きいと考えます。
拘束時間が短いことで、せん妄リスクも少なくなりますし、自己抜針→インシデントレポート記載といったスパイラスからも開放される(かも)。
また在宅医療では、訪問できる時間も限られており、日に複数回投与する薬剤と比べたら使いやすい薬剤ではと思います。
今回の参考文献は