第20回 日本病院総合診療医学会 NPシンポジウム 「診療看護師導入という未来の医療への提言 〜多様な導入の可能性を探る〜」開催報告 +α
日本病院総合診療医学会で4回目の開催となるNPシンポジウム。
①浦中先生「診療看護師のシステム導入についてフォーカス」
・浦中先生
いつもN Pの総論を担当してくださる浦中先生。
今回のお題は「診療看護師の動向と大学院課程における教育」
海外のN Pのoutcomeを取り入れながら、日本N Pの課題についてお話しいただきました。
海外も日本も同様に言えること。
効率性・安全性・経済性に寄与しなければならない。
N Pはこれができる、、、だけではだめ。
N Pにとって特定行為や相対的医行為はあくまでも手段の一つであり、介入した結果がタスクシフトであっても、その先に患者様のHappyがなければならない。
(私もそろそろ何かしらのoutcome出さなきゃな…)
②小波本NP
聖マリアンナ医科大学附属病院のNPプログラムについての説明。
この病院のミッションは新病院開院にあたりHybrid ER+集中治療病床:70床に対応できるNPを育成すること。大規模病院という特色を活かした院内ローテーションを行い、研修期間中はジュニアレジデントと、研修終了後はシニアレジデントと同様のポジションとすることで、NPのレベルと統一(可視化)を行なっていました。今後は特定行為だけでなくNPの実施する相対的医行為もプロトコール化することで、より効率的で安全なNP運営を行っていくとのことでした。
③高橋NP
市中病院での立ち上げ(小規模病院)について。
小規模病院は医師が少なく、比較的NPが入りやすい状況がある。高橋NPの所属する施設は二次救急病院でもあり、医師とNPが協働することで地域に必要とされる救急医療も担っていた。初期研修医がいない施設のため、そのポジションに入ることで、役割も明確となっている。
高橋はN Pが円滑に活動するために下記の4点を挙げた。
・火消し薬の確保(上級医・看護管理者)
・コメディカルからの理解
・看護部からの理解
・事務部からの理解
NP個人のマネジメントだけでは限界も多く、1施設の流れを変える事は既存のスタッフの不安へとつなげ、結果NPの受け入れに二の足を踏むことがある。理解者とともにビジョンを持ち、一歩ずつ地道に進むことで、受け入れに繋がっていく。
また導入におけるキーワードとして下記の2点を挙げた。
・新専門医精度導入:若手が小規模病院に集まらない
・2020診療報酬改定:点数を取ることと、働き方改革の間
病院のキャラクターやニーズ、経営状況を理解することで、よりNPの効率的活用方法を見出すことができる。
④本田N P
離島でのNP導入について
特定行為は離島より本土施設の方がニーズあり、離島は包括的介入が必要とされる。
このことを踏まえ長崎県における日本版N P養成システムを構築。
効果性、効率性、継続性、永続性を重要視することで、NPが行う医療の質を担保する。
システム化+公費負担をすることで、より多くのお方が参加しやすいように。
また行政・事業者との連携をとることで、新たなニーズ開拓も、、、と相変わらず発想と行動力が凄まじいNP界のプリンス本田。
私が記述で伝えるより、直接お話を聞いてみてください!
廣瀬NP
老健施設でのN Pの活動と導入に向け
老健施設では医療依存の高い利用者を受け入れ、NPは合併症予防など含めたケアを医師と協働している。介護中心の中、安心して療養生活を送ることができ、また生活を支える人たちも安心して介入できる場を整える。それをNPが行うとどうなるのか?
一つは教育的介入。現場職員のボトムアップを図るだけでなく、コンサルテーション業務やバックアップもこれに含まれる。
そして代表的なものがポリファーマシー。様々な医師が処方に介入しており、一貫した薬剤管理は高齢者医療を行う上では必要不可欠。単に薬剤を削減し、コスト削減を行うだけでなく、患者予後の改善や誤薬などリスクマネジメントの観点でも効果を発揮していた。
https://www.nurse.or.jp/nursing/np_system/pdf/report.pdf
和泉先生
診療看護師という未来の医療の提言
長崎医療センターでは診療看護師管理委員会でNPの活動先を調整している。
医師不足の科でタスクシフトへの介入や入院期間短縮、診療効率化、看護師・研修医への教育的介入を行っている。
和泉先生は今後NPとしてより個を理解するために5つの特色に分けた。
- Hospital NP:包括的な指示のもと病棟での診療を実施
- Specialized NP:不足している分野を補っていく
- Community NP:在宅など生活の場において包括的指示のもと診療を行う
- Education NP:NPの質担保のために教育的介入を行う
- Manage NP:NP部門を統括するmanager
昨年のNP学会の発表内容もこの5つに分けられることができる。今後、これらの特色と自分を照らし合わせ、より施設や地域にFitした活動を行っていくことが課題。
質疑応答では、NPのモチベーション維持や、バーンアウト予防について聴講者から質問があった。
また身内とも言えるNPより「発表でも様々な教育機関の特性やNP自身の個性があるみられる中、何がNPの共通項目であり、今後新規採用を検討している施設へ、NPとは〇〇というものがないと、施設によってはNPの当たり外れが大きく、手を出しにくいのでは?」と指摘が入った。
得意分野が違う、SpecialistとしてのNP 、GeneralistとしてのNP、さまざま存在する中で、シンポジウムを聴講した人々に次施設でも再現性のある人材=NPを提示していかなければならない。これは質問者含め、シンポジストも課題として持ち帰ることとなったが、その後助言を下さった横浜市大の医師の言葉が現段階でしっくりきた。
「〇〇をするのがNP」ではなく「○○を目指す!のがNP」で良いのではないか?まだまだ発展途上の中、答えを出すことだけが正解ではない。
今後もビジョンをしっかり持ち、風を読み、アウトカムの対象を見失うことなく精進していきたい。
と、ここまでがシンポジウムのまとめ。
今回は補足として記載しますが
シンポジウム前日に散獣志新年会、兼散獣志結成1周年記念お食事会を開催。
もつ鍋は食べれない人がいる、、、水炊きは●日に食べるから、、、と福岡名物の王道を潰され八方塞がりの幹事(私)
選んだ店は、、、、中洲にある「一富」
福岡の家庭料理を提供してくれるお店です。
以前“孤独のグルメ season4 特別編”にもでたお店だけのことはあり、平日夜でもほぼ満席。
鯖ゴマをはじめ青魚中心のメニューでしたが、何を頼んでも大当たり。
リピート確定です!
そして21日開催された
NPがいるよ!全員集合!(仮)in福岡
この懇親会
Episode0というか、始めるきっかけとなった昨年の総合診療医学会in沖縄での懇親会を皮切りに
佐賀→東京→そして再び九州上陸、福岡!
コロナウイルスの影響で開催について何度か吟味しましたが、各参加者へ注意喚起を徹底し、粛々と開催することとしました。
参加人数:19名
北は北海道から南は大分まで、多くのNPとRN、NPのことをずっと応援してくださっているDrと参加していただきました。
今回“初めまして”の参加者も多数おられましたが、同じ志を持った者ですので、打ち解けるのも早く、各々有意義な時間を過ごしておられました。
次回開催は2020年5月!
中国地方初上陸の広島でお会いしましょう。
そして現在調整中のNP-General!
海を見ながらの熱いカンファレンスを絶賛企画中!
日時・場所は早めに発表します、、、たぶん