入院患者の”発熱のミカタ” Vol.3〜NPでの学びを看護に繋げる〜
入院患者の発熱のミカタをまとめて早3回目。
たぶん今日でひと段落です。
私たちにとっては一番重要?
発熱に対する看護ケアを少し調べてまとめてみます。
発熱に対する解熱対応
看護学校でも習い、実臨床でも行っているであろうケアは
・薬物療法
・冷罨法(クーリング)
ではないでしょうか。
手軽にできるクーリング、確実に下がる?薬物療法
実臨床ではどのような指標でこれらの方法を選んでいるでしょうか?
まずは解熱療法の利点と欠点について
解熱療法の利点
感染症で熱を出している場合は、基本金に対する正常な反応で体温は上昇します。
体温を上げて菌をやっつけているんだから、無理に下げる必要もないんじゃないか?と考えた時代もありましたが、体温を下げることで上記のように脈拍、酸素消費量は改善します。
すなわち、心臓や肺に基礎疾患を持っている人、負荷をかけたくない方には有効な治療となります。
解熱療法の欠点
いいこともあれば悪いこともあります。
薬を使うと副作用が、、、と考えやすいですが、過去の論文を遡ってみると”ある程度の高体温は予後に影響しない”出会ったり、”解熱処置をしないことで予後がいい”ってのもありました。
もちろん薬の副作用もあります。
どちらかというとアセトアミノフェンに軍配は上がっていますが、NSAIDs,あせとあみのふぇん双方血圧は下げてしまします。
敗血症急性期で血圧を下げた場合臓器障害も来しかねないので注意が必要です。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsicm/19/1/19_17/_pdf/-char/ja
解熱療法に関する過去の論文
探しきれていないかもししれませんが、様々な結果が論文上でています。
基本感染症による発熱ですので、熱中症はふまえませんが、研究対象の違いによってもoutcomeの表現が変わります。
SSGC:敗血症ガイドラインでは?
敗血症での発熱の利点として
微生物に対する抵抗性が増す (=好中球・MΦ・NK細胞の活性化細菌増殖の抑制)があります。
反面欠点としては
・患者本人の不快感
・酸素消費の増大 →心肺機能へ負荷
・ミトコンドリアなどの 細胞機能障害が生じうる
があげられます。
ガイドラインとして解熱療法は推奨されていませんが、頻脈、頻呼吸など苦痛の自覚に対する緩和的介入であれば否定はしないという表現をされています。
安易に解熱対応をするのではなく、その患者に対するリスクとベネフィットを考慮し対応する必要があります。
結果臨床ではどうするのか
前記もしたように。対象者によって同じ処置、同じ薬剤でもoutcomeは様々です。
ということは、ケアを行う今をどこまでアセスメントするか、何を期待するのか、患者本人は何を望んでいるのか、リスクとベネフィットは
それらをしっかり考え、チームとして共有し、継続したケアが提供できるよう心がけることが重要になります。
ドラクエのベホイミのように、ポチれな良くなる!ものがあればいいですが、まずはVol 1.2でまとめた原因検索を行い、いち早く原因へアプローチすることが重要。
ケアで患者outcomeが悪い方向に行くことだけは避けたいですね!
本日の参考図書