看護師の臨床推論?慢性心不全急性増悪の原因 ”FAILUREから可能性を考える”〜NPでの学びを看護に繋げる〜
最近Twitterでは看護師の臨床推論が看護教育に入るとやらで盛り上がっている。
そもそも看護過程が看護師における臨床推論では?と筆者的には思います。
そもそも臨床推論とは?
ググってみると「医師が診断や治療を決定するための思考プロセス」と記載されていました。
臨床は医師のみならず、看護やコメディカル、たくさんの方が介入し、昨今では地域を巻き込んで医療を展開しています。
推論とは?
推論の正しさを妥当性という。あらゆる事柄は言語において表現されるのであるから、妥当な推論には、その推論が指し示す事柄が妥当であること(意味論)、その推論が行われた状況において妥当であること(語用論)、その推論の構文が妥当であること(構文論)、が考えられる。(Wikipedia)
要は目の前の事象が、何が原因かを考え、検証していくといった感じでしょうか。
慢性心不全急性増悪の臨床推論
こんなタイトルをつけましたが、そもそも慢性心不全急性増悪の臨床推論という言葉が妥当なのか?
本来であれば、慢性心不全で通院歴のある患者の呼吸困難に対する臨床推論として鑑別疾患が上がり、検査・加療を行いながら、鑑別で出てきた疾患を否定していく。
ACS,PE、肺炎、、、と
そして心不全にたどり着いてもHFrEF?HEpEF?、、、看護学校で習うかな?
増悪因子は何?Volume Over?感染症?
血液検査結果見て判断?胸部X線?心エコー?
と世間一般が思う”臨床推論”を看護師が行うとなると、看護教育ではなかなかコアな部分まで疾患学を教えなければいけなくなってしまう。
看護師が行う慢性心不全急性増悪の臨床推論(希望も込めて)
増悪因子の語呂合わせが、上記スライドになります。
心疾患が原因と目が行きがちですが。意外と生活に沿った項目も含まれます。
利尿剤等の服用コンプライアンスはどうなのか?
食事の変化(食事制限を守ってない、作る人の事情で外食が増えた、自分で作っていたが、動けなくなって作れてない?ヘルパーさんとうまくいってない?)
感染症(高齢者では肺炎(肺炎球菌の予防接種してる?)や尿路感染症など)
もちろん医師(時折NP)はこの項目を抑え、再発予防に努めます。
この内容を自律的に情報収集し、入院後の変化で何が改善し、どのように生活に繋げていくのかを考える。
これこそが看護師(NP含む)の臨床推論ではなかろうか?と勝手に思っています。
もちろんPhysical Examinationができることも大事。
「この患者さんはMRがあって、入院時4RSBでLevine4/6の収縮期雑音があったけど。2/6まで改善した。訪問看護師さんにも申し送って、心雑音が悪化したら云々カンヌン…」といった感じにまで看護師の行うPhysical Examination及びPhysical Assessmentが活かされるようになれば、看護教育における臨床推論の意味が出てくるのかな?と勝手に感じています。
これからの高齢化にめちゃめちゃ着眼するのであれば、この内容に加え”illness trajectory”も踏まえ、院内外のチームと協力し、どのようにコンセンサスを得て患者をミテいくのか?医療提供を選択していくのか?につなげていけたら最高ですね。
臨床推論についての教育
決して利尿剤云々、CTR云々、NPPVの設定が云々など治療に終わることなく、ケアに還元できる臨床推論が展開されることを切に願います。
最後に
私の人生を大きく変えた医師が臨床推論を教えてくださるときに必ず言います。
木を見て森を見ず
心不全だからと胸ばかり見るのではなく、疾患に囚われすぎず、全身の状態、生活状態にも目を配ることが必要です。