漢方とカリウム
高カリウムのことをまとめていたら気になったので調べてみました。
漢方薬とは
自然界にある植物や鉱物などの生薬を、複数組み合わせて作られた薬のこと。
組み合わせの例を挙げると
ドラッグストアで見かける葛根湯は
葛根・麻黄・桂皮・芍薬・生姜・大棗・甘草が組み合わさったものです。
主に風邪のひき始めに服用し、発汗を促すことで熱を下げ、風邪を治そうとします。
葛根湯の中の芍薬+甘草のみで形成されているお薬が芍薬甘草湯。
こむら返りや、腹痛、腰痛など筋肉が痙攣して痛む症状に効果を示します。
芍薬とはボタン科の多年草で、根っこの成分に消炎・鎮痛・抗菌・止血・抗けいれん作用があるようです。
甘草とはマメ科の多年草で欧米では甘味料としても利用されているようです。日本国内で発売されている漢方薬の約7割に用いられており、薬効としては緩和作用、止渇作用があるとされています。
本題に戻りますが、漢方薬=低カリウム。国内に流通している漢方薬の約7割に含まれている甘草。この中に含まれる「グリチルリチン酸」が影響していると言われています。
グルチルリチン酸はコルチゾールをコルチゾンに変換する酵素(11βヒドロキシステロイドデヒドロゲナーデ2型)の活性を阻害し、コルチゾールが過剰となり、ミネラルコルチコイド作用を活性化することにより生じます。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/95/4/95_4_671/_pdf
尿細管のミネラルコルチコイド受容体に作用してナトリウムの再吸収を促進させカリウムの排泄を増やすため、低カリウム血症を生じやすくなると考えられています。
「甘草1gでの副作用の発生率は1%程度であるのに対し,6gになると11%になるなど,急激に頻度が増加した。」と言った上告もあり、長期投与や大量投与されている方は注意が必要です。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kampomed/66/3/66_197/_pdf
ちなみにグルチルリチン酸は甘草だけでなく、チューインガムやタバコにも含まれているそうです。
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