J病院におけるNPの存在価値は?
ご存知の方もおられると思いますが、、、
本年度を持って東京都にあるNurse-Practitioner-Program 城東 第1章は幕を閉じます。
先輩方の活動を踏まえると4年の歴史に一旦区切りをつけることとなりました。
都内とはいうものの、スカイツリーとTDLの間に位置する病床数130床の2次救急病院で、NPは何ができたのか?
Nurse-Practitioner-Program 城東の概要
卒後院内ローテンションの実施や重症集中ケア・救急への介入、心臓外科・麻酔科での・・・といったキラキラした活動はなく、
基本として総合内科(総合診療科)の研修を1年ないし2年行います。
当院総合内科は初期研修医がおらず、後期研修医とスタッフ医師で活動しています。
その中にNPも合流し、スタッフ医師・後期研修医・NPでチームとして患者さんの対応にあたります。初療から退院まで、継続してチームで対応する中で、commonな疾患管理や社会的調整、他職種連携と多くの経験をさせていただくことができました。
結果、特定行為の実施に比べ、相対的医行為の数が圧倒的に多くなりましたが、侵襲的な医行為は決して多くありません。
介入の一例を図式化したものです。
特定行為の実施については動脈採血と抗菌薬投与に限られており、相対的医行為として分類しているグラム染色・超音波検査の実施、検査の代行入力、そしてそれを行う上で重要な問診・身体診察をNPも行います。またこれらの身体診察や相対的医行為は患者さんの治療判定を行う上でも重要となり、必然的に行う回数が増えていきます。
毎日繰り返し丁寧に見ていくことで、改善の経過、悪化の状態をいち早く見つけることに繋がります。
これらの介入について、在宅でもつなげてもらえるよう診療情報の記載(代理)も行わせていただきました。
地域で見てくださっている医療関係者の皆様に入院中何があったのかを伝え、地域で見ていく上でのお願いをさせて頂く。看護サマリーとは違った一語一句の責任を知ることができました。
病状説明をさせていただくこともあります。
途中経過や退院に向けたことなど明るい話題だけでなく、時間を選ばずBad Newsを伝えることもありました。自分の一語一句で多くのものが動かされることもあります。
その一言の重み、、、看護師では味わうことのないものでした。
口から出る一言、、、オーダーなど入力する際のワンクリック、、、このちょっとしたことが、患者さん・家族の人生を大きく左右させる、、、その責任の重さを学んだのが総合内科研修での主体であったと思います。
NPの存在感(1事例)
研修を経たNPが実際どのような存在感で活動を行なっているのか?
当院NP4年の歴史?の中で総合内科、外科、整形外科とNPが配属されていました。
誰がどう見ても個性派揃いの当院NP、、、活動も様々でしたが、、、
当院でのNPの存在意義はやはり初期研修医的立場が表現しやすいのかな?と感じます。
いつでも声をかけやすく、相談しやすい。そしてすぐに行動に移すことができる。
例えば医師をはじめ、様々な職種のスタッフから、「患者さんが〇〇だから見て欲しい」とファーストタッチを求められます。時には医学的視点で、時には看護的視点で、時には両方持ち合わせ介入し、次のステップを提案します。
患者だけでなく、医療現場がリアルタイムに動くための1歯車として当院NPは存在していたと思います。
突如起こったプロブレムに対し、リアルタイムに動く介入するだけでなく、本来行う予定であった介入を安全に実施することへの援助も、リアルタイムに含まれていると感じます。その結果が薬剤師やセラピストの残業時間や業務内の変化の実感につながっているのだと考えます。
CUREの部分に関しても介入していくNPですが、決してspecialistとしての活動は行なっていません。
整形NPとして活動していく上で再認識しましたが、患者様の関節可動域を決めていくのは医師の役割。それに近づけていくのがセラピスト。その状況での生活可能域を見据え介入し、連携を取るのがNPの役割なのかなと思います。
看護の世界でもspecialist(CNS)が存在しますので、わざわざNPが踏みいらなくても良いのでは?と考えています。反面、当院がCNSはおらず、CNは感染症と認知症のみ。ですので他の看護分野についてはNPが似たような介入をすることもなくはありません。それは施設や現場ニーズによって様々だと考えます。今までの看護経験と大学院で学んだ医学的見地を混ぜ、その時々で最良のケアの提供を行う。加算が取れるわけではありませんが、加算の縛りがないから自由にケアを選択でき、行動につなげることが(現状)できるのかもしれません。
結局のところ・・・
色々と書きましたが、当院NPの存在価値としては、、、
・ケアについては直接的より間接的加入が多い。しかし医師を含め直接的介入をするスタッフがより自分のすべき役割を患者様へ提供できるようサポートできる立場である。
・タスクシフティングすることで、医師だけでなく、指示を受ける側含め、院内スタッフ全体の時間の有効活用が可能となる。
・院内の状況に合わせフレキシブルな立ち回りができる。
、、、「患者様にとって〇〇だ!」と書けなかったのが残念です
今後の課題にとっておきます。
追伸
一身上の都合により、「JNPゾエの看護?覚書in城東」は本日をもって終了となります。
次回からは
「JNPゾエの看護?覚書in兵庫」
で再出発いたします。
来年度も色々頑張ります!