JNPゾエの看護?覚書in城東

東京で働くJNP(診療看護師)のブログです

当院NPの行動特性とは?

今年度も機会をいただき、日本病院総合診療医学会でシンポジストしてきました。

が、ある方からのお願い(無茶振り)もあり、同じ研究で、違った観点から中部関西NP研究会でも発表しました。

スライドはほぼ同じです。

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今回の発表をまとめるにあたり

NPはこれができる!と言う発表は多いけど

NPは何ができているととらわれているのだろうか?

と言う疑問から、行動特性というキーワードをもとに、当院NPがどのような行動特性を持っているかを調べてミタ

 

目次

・私が働いている病院・総合診療科の役割

・研究のまとめ方

・研究結果

・考察

・結語

 

 

・私が働いている病院・総合診療科の役割

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当院は都内にある中規模病院です。

NPは看護部所属、総合診療科に出向し活動しています。

総合診療プログラムも運営しており、後期研修医も複数いることから

NPがやることなくない?

とも思われそうですが、意外とフル活動しています。

 

・研究のまとめ方

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国内でもNPの行動特性を謳っている施設はありますが、施設としてどのような行動特性と認識されているかを明確にしようと思い、今回の調査を行いました。

調査には先行発表されている、海外プライマリNPのコンピテンシーをもとにアンケート調査を実施。

http://jssm.umin.jp/report/no35-1/35_1_01.pdf

 

またその内容を日本総合診療専門医のコアコンピテンシーに分類し評価を行いました。

中身は下記になります(見難くてすいません)

 

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研究結果

nは42件です

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地域思考アプローチ以外はほぼ行動特性として認識されている結果となりました。

 

考察

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実際院内で活動することが多い、当院のNPですのが、在宅へも伺うことがあり、その辺りは活動内容の周知の影響も否めないと考えます。

院内では上級医と共に患者の疾患管理や、教育的介入、特定行為や相対的医行為の実施などタスクシフトも積極的に行っています。タスクシフトの結果、医師は外来・病棟・在宅とシームレスに活動する中でのストレス軽減につながっていると考えます。

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また、行動特性は似通っていても、医学と看護学ではアプローチも違います。

その違いを共有し、患者に向き合うことから、より患者にとって必要な医療サービスの提供になっていると考えます。

医行為が行えるのがNP、タスクシフトが行えるNP

ではなく、高度実践看護師としてのNPが看護実践し、チーム医療に貢献することがNPの本来の目的だと個人的には思います。

 

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と言ったものの、実際のアンケート結果では、看護師と他の調査対象者(医師、病棟薬剤師、セラピスト、MSW)との回答に有意な差が生じました。

要因の一つに。看護者が行動特性や役割についてのこれらの文言の意味に触れる機会が少ない、多忙な業務の中、看護としての役割意識を考える機会が少ない現状がことが考えられました。

 

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NPの行動特性だけでなく、同施設の看護師が地域や施設、目の前の患者に対しどのような役割があり、各看護師、各病棟がどのような特性があるのか。

そこを明確にし、共有することが、より地域医療における当院の看護の必要性や、NPの存在意義、活用法などを明示できていくと思います。

 

結語

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NPは総合診療医と似通っており、チームとして行動することで様々なアプローチが可能となっている。

また病棟配属ではなく、診療科チームに配属しているため、横断的にアクションが行えることが、リアルタイムな介入やハブ的役割を担うことができる。

NPを発展させようとNPだけ進んで行ってもしょうがない。自施設の地域医療における看護の役割を共に考え、行動し、その看護の土台があることで、初めてNPとしての高度実践能力が発揮される(明確になる)

診療報酬や機能評価に絡んだ業務に多くの時間を割かれる看護

様々な看護のスタイルが出てきている中、今一度看護感に着眼し、必要とされる看護を見直す機会かなと考えます。

 

NPは看護師です。